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744話

「昔なら、もうとっくにへばっていただろうな。」

この道のりはずっと道なき道だったから、体力を激しく消耗する。

そのとき、その背の低い男がまた一言。「着いたぞ、着いた。前だ!」

彼は手で指さした。

我々は今、谷間にいて、彼が指す方向は山の一方だった。見てみたが、特に何も見つからなかった。少なくとも百メートル以上離れている。

私は細心の注意を払って後をついていく。

草は深く、膝まで伸びていた。少し屈むだけで、彼らに気づかれることはない。

すると、前を行く二人がまた立ち止まった。

背の低い男が言うのが聞こえた。「前回、俺はここで龍陽草を見つけたんだ。ほら!」

龍陽草?

私は口の端を歪めた。

師匠がこ...