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649話

「この暗闇じゃ、彼らはしばらく俺たちを見つけられないだろうな?」

裏口を出てから、俺と小氷は林の中をかなり大回りしたんだ。俺自身でさえ、もう帰り道がわからないかもしれない。

俺はただ彼らが斜面に投げておいた白杖を見つけてくれることを願っている。この一手を残しておいて良かった。

でもこの穴はなんて冷たいんだ!

俺はライターも持っていないし、小氷も何も持っていないだろう。

今、頭は痛いし、足の裏も痛い。

手を伸ばして、小氷を抱きしめた。今は体を寄せ合って温まるしかない。

「盲目のお兄ちゃん、お姉ちゃんはいつ私たちを見つけてくれるの?」

「俺にもわからないよ!ここで待っていよう。彼らはきっと俺たちを...