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644話

「くすくす、じゃあ逃げないから、捕まえてみてよ!」

彼女はベッドの端まで下がり、口を押さえて笑った。

私は彼女に近づき、手を伸ばした。

その時、彼女はさらに後ろに下がろうとしたが、後ろはベッドだった。彼女は足を引っかけ、体が後ろに倒れていった。

私は本能的に彼女を引き留めようと手を伸ばした。

彼女の手を掴んだ瞬間、逆に彼女に引っ張られてしまった。

私は彼女の上に覆いかぶさるように倒れ込み、唇が彼女の頬に触れてしまった。

彼女は一瞬固まったあと、すぐに私を押しのけて、ぴょんと跳ね起きた。

「あっ、私の顔にキスしちゃダメだよ!お姉ちゃんが言ってたの、男の子に触らせちゃいけないって!」

彼女のあどけ...