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625話

「私だよ」

「さっき誰かが店に入ってくるのを聞いたわ!」

「ああ、さっきの電気工事の人だよ。道具箱を事務所に忘れてきたから、梅子がドアを開けて取りに行かせたんだ。すぐに戻ってくるよ」

「そう。ボタンは見つかった?」

「見つかったよ」

今はもう、ヴェイ兄さんが梅子に手を出すことはないだろう、と思った。

数分後、ヴェイ兄さんと梅子が現れた。

ヴェイ兄さんは顔を曇らせ、何も言わずに玄関から出て行った。

梅子も怒っているような様子だった。

おそらく梅子は、ヴェイ兄さんが私にぶつかったことで、彼と言い争いになったのだろう。

このバカ、自分で感情を台無しにしているんだ!

「金水、揉んであげるわ」梅子が...