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613話

「正直に言うと、私はもちろん梅子が一生を盲目の男と過ごすなんて望んでいなかった」と義兄は溜息をついて言った。

「あの時、梅子が私の命を救うために身を売ったと知った時、君と同じ気持ちだった。死んだ方がましだと思ったよ。病院にいた日々、家にいた日々、本当に辛くてたまらなかった。私のせいで梅子を台無しにしてしまったんだから!

でも、もう既成事実になってしまった。私に何ができる?お金はもう使ってしまって返せないし、梅子は金水と結婚式も挙げた。これも天命なのかと思った。結婚式の日、両親が出席して帰ってきた時、ただ一言『梅子は大丈夫だ、向こうの家族も彼女に優しくしている、心配するな』と言ってくれた。

それ...