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610話

彼の表情を見て、少し理解できた。彼は私が店にいることを知らないようだ。ということは、同じように梅子がここにいることも知らないはずだ。

義兄が迎えに行った。

私は彼の少し驚いた声を聞いた。「あれ、君は——」

すると偉哥はすぐに言った。「唯美装飾会社の電気工事士です。昨晩、店の配線に故障があったんじゃないですか?点検に来たんです!」

思い出した。昨夜、義姉がこのことを話していた。

彼は梅子に会いに来たわけではない。彼は電気工事士で、配線を修理しに来たのだ。

「ああ、そうだそうだ、配線に問題があったんだ。まさかこんなに早く来てくれるとは思わなかった!午後に来ると思っていたよ」

「どこが...