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600話

「それで、もう何度も事務所に来ているから、自分で2号室に戻れるかしら?」と彼女は言った。

「もちろんですよ!」と私は答えた。

「本当に大丈夫なの?ただ何となく聞いてみただけだけど」

「本当に大丈夫です。全然問題ありません。こんなに長い間目が見えない生活をしてきたので、道を覚える能力はかなり優れていますし、それにこの距離は大したことないです。途中に障害物もないですしね。私たち盲人は歩数で計算するんです。一般の人には理解できないような特別な感覚があるんですよ。例えば、目が見えなくなってから、嗅覚と聴覚が鋭くなりました。陳主管が毎日同じ香水をつけていることも匂いでわかるんです。事務所に入った瞬間に香...