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539話

「もちろん、私は無表情だ。」

綺麗な女性は渡された寝間着に着替え、マッサージベッドに横たわった。

「お姉さん、テレビ見ます?」小玉が尋ねる。

「いらないわ」

「音楽は?」

「いらない!」

「わかりました、まずは足湯からさせていただきます」

小玉はシーツをめくってベッドの足元を露出させ、ボタンを押すと中央が開き、水槽が現れた。

「おい、盲目くん、こっちに来なさい!」美女が私に向かって指で合図した。

私はゆっくりと近づき、ベッドの横に立った。

「お姉さん、何かご用でしょうか」

「あんた、おいくつ?」

「十九歳です。もうすぐ二十になります」

「いつ目が見えなくなったの?」

「八歳の時に交通事故で」

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