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39話

「そして義姉はこの数日、とても大人しくしている。彼女が必死に自分を抑え込んでいることは分かっているんだ」

翌日の午前中、私は三百数十元を懐に忍ばせて町へと向かった。

今は修行を終えたとはいえ、師匠の店では給金はもらっていない。だから外での飲食代は家から持ち出すことになり、いつも数百元は身に付けている。

按摩や経穴の基礎があるため、鍼灸を学ぶ速度も速かった。ただ、実際に腕を振るう機会はまだなかった。

午前中の仕事を終えると、診療所を出て近くのバス停へ向かった。

人の助けを借りて、県の中心部へ向かうバスに乗り込んだ。

県の中心街へ行くことは滅多になく、目が見えなくなってからは一度も行っ...