華の都の遊び人

297話

「わかりました」

電話を切ると、私はそのまま前に進み続けた。すると、前方で一人の女の子が電話をしているのが見えた。

その子は制服を着ていて、丸い顔をしている。明らかにさっきバスで見た女子高生じゃないか！

彼女は電話を終えると、その場に立ち尽くしていた。

私は彼女に気づかれるのが怖くて、遠回りして通り過ぎ、そのままマンション敷地内に入った。

このマンション群はオープン式で、門も塀もなく、いくつもの棟が建ち並んでいる。

ちょうど建物の下に着くと、通路から一人の女の子が走り出てきた。林暁娟だった。

もちろん彼女に声をかけるわけにはいかず、そのまま前に進んだ。

林暁娟は私をちらりと見たが、特に気にする...