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2791話

湿っぽく柔らかな感触が伝わり、突然、言い表せないほどの吐き気が込み上げてきた。

彼女は全力を振り絞り、厚かましくも強引にキスをしてきたこの男を思い切り突き飛ばすと、最速でトイレに駆け込み、「オエッ、オエッ」と連続して吐き続けた。

「マジかよ!」

俺はもう呆然としていた。この反応はますます激しくなっている。彼女がこれほど苦しんでいるのを見て、俺も心の中で申し訳なく思った。さっきは彼女の金的蹴りをかわしたばかりだが、彼女だって故意にやったわけじゃない。それなのに今、こんなに吐き気を催している。

今までで一番親密な瞬間だった。初めて彼女にキスしたのに、まさかこんな結末になるとは。俺の心は一気に萎え、...