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2556話

「そうね!」

「これ、私にくれるの?いくらしたの?」

「えっと……」俺は心の中で、買うなんてするか、あれは鄭郁の赤い服から落ちた真珠だ。あいつがもったいないと思って拾って、ポケットに入れておいただけだ。でもあの服は一目見て安物じゃなかったし、この真珠も本物に見える。あの貝の模様が何とも魅力的だ。

「たいした金額じゃないよ。気に入らなければ返してくれても構わないけど」そう言って手を差し出した。

王梅梅はさっと身を翻して、「都合がいいわね。もう私にくれたんだから、私のものよ」と言った。彼女はますますこの品を気に入った様子で、思わず衝動に駆られ、唇を噛んでから相手の頬にキスをした。

キスをするとすぐ...