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2549話

「ちょっと待っててね、蔓を見つけてくるから」私の声が上から聞こえてきて、しばらくすると、一本の乾いた蔓が下に垂れてきた。

黄有才はほっと胸をなで下ろし、急いでそれを掴み、手足を使って必死に上へと這い上がろうとした。だが片足に力が入らず、それはもう苦労することこの上ない。

この穴はたかが人の背丈ほどだが、一本のボロい蔓だけを頼りに一人で這い上がるのは、相当な難題だった。

彼は歯を食いしばり、持てる力のすべてを振り絞った。ようやく頭を穴の縁まで持ち上げると、「有才兄さん、力を抜いて、引っ張ってあげるから!」とあいつは案の定、蔓を引っ張る仕草をしながら声をかけてきた。

黄有才が胸に喜びを感じ...