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2500話

「そうだ、思い出したんだけど」と私は急に金香月に向かって言った。「香月さん、あの正社員の件だけど……まだ話せる機会がなくて、ちょっとタイミングが悪くてね。後でまた聞いてみるよ」

金香月は彼の言葉が本当かどうかわからなかったが、この件についてはもともと期待していなかった。こんな偶然に彼が口利きできる人を知っているわけがないし、仮に知っていたとしても、他人同士なのに、贈り物やお礼もなしで、なぜ誰かが助けてくれるだろうか。「気にしないで、私のことで心配しなくていいわ。もともと難しい話だったし、ダメならダメでいいのよ」

車は三人を乗せて山奥へと進んでいく。一人増えただけで会話が本当に賑やかになった...