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2388話

今まで、この悪人の頭目は、何度も悪夢から彼女を目覚めさせ、この人生で最も恐れ憎む人物の一人だった。

さっき私は彼女の目の前で、あいつの鼻を豚鼻のように一発で殴りつけた。その瞬間は恐怖で震え、報復を恐れていた。

だが今になって気づいたのは、あの男のいわゆる「コネ」、裏と表どちらにも通じているという評判も、結局はたいしたことがなかったということだ。彼女のような一般人を虐げるのには手慣れていても、本当の実力者の前では、ただの笑い者でしかない。

心がふっと軽くなり、気持ちも明るくなった。今思えば、本当にスカッとした気分で、大きな恨みを晴らしたような爽快感がある。

「あいつはなんて強いんだ。あの...