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2346話

「ちくしょう、蛇の卵を踏んだのか、だからこいつが俺たちをじっと見つめているんだな」

金香月は彼の視線に異変を感じ、思わず足元を見た。途端に顔が青ざめ、自分が起こした災難に気づいた。

「だい……金水……」金香月は泣き出しそうになりながらも、勇気を振り絞って言った。「卵を踏んだのは私よ。こいつは私だけを狙ってるの。早く逃げて、お義姉さんのせいで巻き込まれないで」

田舎では誰もが山曼の毒性を知っている。まさに一瞬で命を奪う毒で、助かる者は十人に一人もいない。彼女は私の困惑と躊躇を見抜いていた。この生き物に立ち向かえる者などいないのだ。

もしこいつに隙を見つけられて襲いかかられたら、冗談じゃすまない。...