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232話

彼女は私の手を引いて、トイレまで連れていった。

トイレを済ませて出てくると、梅子も入って顔を洗い、それから私の手を引いて部屋に戻った。

そして、私たちはベッドに上がった。

「梅子、君はうちに来てから、もう何回も泣いてるけど、これからは、絶対に泣かせないって約束するよ」私は真剣な顔で言った。

「大丈夫よ、金水。私ってちょっと弱いところがあるの」

「君を見ていると、ある人を思い出すんだ」

「誰?」

「林妹妹だよ!」

「どの林妹妹?」

「林黛玉だよ!」

「誰なの?」

「『紅楼夢』の女主人公さ。とても美しいけど、よく泣く子なんだ」

「あなた、どうやって本を読んだの?」

「ああ、兄嫁が読んでくれたんだ。...