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2303話

「あいつに切られた傷が深すぎて、出血も多かったせいか、片手で下のファスナーをいじっても、どうにも上手くいかなかった。

ちくしょう、何てこった。もう苛々してきたよ。幸いにも背中を向けていたけどな。

普段なら短パン一丁で外出するところだが、最近は町に出る機会が増えたから、少しは気を使って、ちゃんとした服装で出かけるようにしている。やはり町は田舎とは違うからな。だがこれじゃ苦労するだけだ。どれだけ血を流したら、こんなに力が入らなくなるんだろう、と思わずにはいられなかった。

韓雪柔は彼がもたもたと手探りしているのを見て、顔を赤くしているのに気づき、すぐに問題を察して駆け寄ってきた。

「私が手伝うわ!」...