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2199話

「思いがけないね、雪梅姉さんがこんなに良い人だったなんて。今まで気づかなかったのはどうしてだろう?」

でも、彼女がここに来たのはそう長くないし、普段は自分が健康そのものだから、こっちに来ることもない。たまに通りかかった時に、彼女が綺麗だからちょっと余計に目が行くくらいで、まさかこんなに人のことを気にかけてくれる人だったなんて知るはずもなかった。

胸が温かくなる。こんな感覚は子供の頃から一度もなかった。思わず「雪梅姉さん、雪梅姉さん」と口から蜜が溢れるように呼び続けた。

こんな逞しくて格好いい男に囲まれて、そんな親しげに呼ばれたら、どんな娘だって顔を赤らめて動悸がしてしまうだろう。ましてや...