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2053話

たかが自分一人では彼女にかなわないと思っていたのに、思いがけず自分が普段と全く違う態度を取り、彼女を泥棒として衆人の前に晒し者にしようとしたら、彼女は完全に動揺し、それまで頼みにしていた自信をすっかり失ってしまった。

結局のところ、彼女は厚顔無恥で、理不尽に騒ぎ立てるだけの女だった。普通の男ならこんな女に関わりたくないものだ。

以前の自分もそうだったが、この状況では、もう怖気づくことはない。本気で揉め事になっても、自分には理があるのだから、村の人がどう思おうと、少なくとも法律は自分の味方だ。

一晩が過ぎ、タールペーパーで覆われた窓から朝日が差し込んでくる。部屋中が明るく輝いているのを見て...