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1962話

「わはははっ!!」

彼は太ももを叩くと小売店へ向かって歩き出した。劉翠児とのことを思い出すと、本当についてないよな。二人はいつも激しく火花を散らす。あのおばさんも大胆なタイプで、会えばすぐ本題に入るのに、一度としてパイプに水を通すことができたためしがない。

そんなことを考えながら、足早に小売店の前まで行くと、もう電気が消えていた。しばらく考えてからやっぱりノックするのはやめた。どうせ今夜は彼女の家には一人しかいないはずだ。辺りを見回すと、コオロギの鳴き声しか聞こえない。壁の側まで行くと、両手に力を入れてひょいと飛び上がった。

村長の家の塀は他の家よりも少し高く、上には赤い瓦が一列に並んでい...