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1777話

「お風呂で体を流してきたんだが、部屋を出ると色気漂う李夫人の姿が目に入った。また何か期待を込めた視線を向けてくるようだ。俺は率直に言った。「李夫人、今回はお互い望むものを手に入れましたからね。この辺にしておきましょう。ただ、もし他にも情報があるなら、どうすればいいかわかっていますよね」

「あなた、行かないで...」李夫人は俺を引き留めようとした。

だが俺の決意は固い。一度満足させてしまえば、次は俺を頼ってこなくなるかもしれない。長い糸で大物を釣るには、常に相手の関心を引いておく必要がある。

俺は李夫人の家を後にして、真っ直ぐアパートへ戻った。すでに深夜だ。万が一小野が目を覚まして俺がいな...