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1686話

李夫人の車に乗り込んで、そのままバーへと向かった。バーに到着したときには、すでに夜の12時を回っていた。

私は直接二階のバーカウンターに向かい、一目でカウンター内の小野の姿を見つけた。彼女は全身全霊でカクテル作りに没頭していた。

こんな女がこの世に存在するとは思いもよらなかった。カクテルを作るためにここまで夢中になれるなんて!

もちろん、そんなことは自分には関係ない。自分が気持ち良ければそれでいいのだから。

にこやかに歩み寄り、軽くカウンターを叩いて言った。「美人さん、カクテル一杯頂戴よ」

小野の頬はたちまち赤く染まった。頭の中では、あの日私と奥の部屋で起きたことが鮮明によみがえって...