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1620話

秦燕燕さんの腰に日焼け止めを塗っていると、突然彼女が言った。「ねぇ、一箇所だけじゃなくて、他のところも塗ってくれない?」

秦燕燕さんの言葉を聞いて、私は彼女に日焼け止めを塗っていた手を止め、「いいよ、秦さん。どこを塗って欲しいの?」と尋ねた。

そう言いながら、私はわざと不作法に、彼女に向かってつかむような手振りをしてみせた。

秦燕燕さんはそれを聞くと、雪のように白く美しい手を伸ばし、日焼け止めが付いた私の手を取ると、自分の胸の上に置いた。

「ここも塗りたくないの?」秦燕燕さんは微妙な笑みを浮かべながら私を見つめて言った。

ごくり。秦燕燕さんの言葉を聞いて、私は自分の目を疑った。今、自...