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1613話

胸の高鳴りを抑えながら、私は真っ直ぐに自分の事務所へと戻った。

事務所に戻ってから、暇を持て余した私は、あの黒い影から手に入れた玉の飾りを取り出し、注意深く観察し始めた。

その玉は大きくなく、普通の玉飾りとほぼ同じサイズで、色も極めて一般的な翡翠色だった。ただ中央に少し暗い赤みがかった部分があり、また玉の中央には龍にも似た、龍ともつかない生き物が彫り込まれていた。

この物を見ていると、龍というよりは蛟龍か応龍に近いような気がした。

具体的にどんな龍なのか、今のところまだ分からない。

ただ分かるのは、この玉飾りの外観と細工からして、かなり高価なものであることだ。もし市場に出せば、恐らく一万元ほど...