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1440話

一瞬にして、私の猫背だった体がだんだんと真っ直ぐに伸び、濁った瞳に鋭い光が一閃した。

「ふふ、久しく動いていなかったな!」

「今日こそ、この私の強さを思い知らせてやろう」

声は淡々として、かすれていて、異常なほど恐ろしい感覚を与え、その威圧感は人々に様々な想像を抱かせた。

たちまち、私の姿は人々の心の中でどんどん偉大なものへと変わっていった。

「これは……これは、威厳?」

「なんてこった、すごい威厳だ、魅了されるじゃないか?」

「マジかよ、何だこれ、一人のボロ爺さんがこんな威圧感を?まさか?まさか?」

「ありえないよ、なんてことだ!」

「もしかして、目の前の老人は、神秘的な力を持っているのか?...