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1429話

「なんてこった、煙霊、何やってんだよ!」

「なんでこんなに弱ってるんだ!一体何があったんだ?」

「頼むから、俺を怖がらせないでくれよ!」

私がこんなに驚くのも無理はない。目の前の煙霊があまりにも恐ろしい姿だったからだ。薄い体は細長く妖しい誘惑を漂わせ、わずかな風に揺れながら、残った灰が一筋一筋舞い上がっていた。

煙霊の弱々しい声が響いた。

「ハハ、私がどうしたって?自分で見えないのかい?」

「兄さん、私の本体は一本の煙草だよ、誘惑的でしょう?」

「煙の最後の行き着く先は何だと思う?死さ」

「だから私は死ぬしかないんだ」

煙は淡々と語ったが、それを聞いた私の心臓はギュッと締め付けられ、呼吸が次第...