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1406話

「おや、なぜでしょうか?」

「簡単なことです。李白は詩情を永遠に保つため、忘情酒に仕掛けを設けたと伝えられています。解錠してこそ、その美味に酔いしれることができるのです」

私は一日中、急に興味がわいて少し活気づいた様子で言った。

「何が必要なのですか」

無夜はそれを見て、微笑みながら漆黒の瞳を上げて星空を見つめ、言った。

「月の光と、音楽が必要です」

言葉が終わるや否や、一筋の真っ白な月光がそこから降り注ぎ、屋根を貫いて、清らかな輝きを放った。

無夜はそれを見て、端正な顔に少しいたずらっぽい笑みを浮かべ、言った。

「音楽なら、私が担当しましょう」

「これから皆さんに歌を一曲、タイトルは——」

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