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1397話

「まさか、一本のお酒が千二百円以上?」

「マジかよ、こんなに高いの?人を生かす気ないの!」

「一体何なんだよこれ!どういう状況だよ!」

私の心の中では怒号が止まらず、慌てた言葉が口から飛び出した。

漆黒のドレスを纏った少女は、整った顔立ちのまま静かに佇み、余計な表情一つ見せない。目の前の状況など、珍しくもないといった様子だ。

雪のように白い顔に、かすかな笑みを浮かべると、彼女は落ち着き払って言った。

「そんなにお怒りにならないでください。当店のお酒はすべて高品質で、この価格に十分見合うものですよ」

「それに香りは清々しく、人を魅了します。一度飲めば、体内の細胞が活性化されて、非常に爽快な気...