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1354話

「話をそらさないで、言ってごらんよ。あなたが私を人質にするって言うなら、一体何を奪おうとしてるわけ?」

白星はそう言われると、幼さの残る顔に軽い笑みを浮かべ、気にも留めない様子で言った。

「あぁ、さっきは冗談よ。おじいさん、助けてくれるんでしょう?」

「このあと悪い人が来たら、どうしましょう」

だが私は微動だにせず、両目で彼女をじっと見つめ続けた。まるで白星が納得のいく理由を言わなければ、彼女を解放するつもりはないといった様子だった。

私の視線に何度も晒され、ついに白星は耐えきれなくなり、やや気まずそうに言った。

「ちょっと考えさせて」

「もし、あなたが私を人質にするとしたら、お金のためじゃな...