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1350話

私はじっくりと見つめ、濁った眼の奥から一筋の満足の色が漏れた。

そして迷いなく、氷のように青白い細い針が一閃と光り、針を握る手が勢いよく力を込め、的確に突き刺した。

細い痕跡がそこから生まれ、微かな青い光を放っている。

その痕跡はわずか十センチほどの距離だったが、表面には黒い刻み目が幾重にも絡み合い、極めて複雑な黒い縞模様を形成していた。異様に人を惹きつけるその模様から、かすかな清らかな香りが空気中に漂い、周囲に広がっていった。

私はそれを見て、濁った瞳を細め、口元に自然と浅い笑みを浮かべ、手に込める力を少し強めた。

微かな音が響き、氷の針が確実に刺さっていく。最初は浅かった傷口も、針が進むに...