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1346話

私はこれを見て、穏やかだった心に微かな波紋が広がるのを感じた。

正直に言えば、目の前の清純で魅力的な女の子に、すっかり魅了されてしまったのだ!何と言うか、あの赤い瞳だけでも無限の色彩を宿し、思わず見入ってしまう。

「おじいさん?」

妖艶な女の子が、少し困惑した様子で尋ねてきた。

その声を聞いて、ようやく我に返った私は、濁った顔に恥ずかしさを滲ませながら、慌てて笑みを浮かべて言った。

「ぼーっとしてしまって、すまんね!」

「もう用事は済んだから、君が使いなさい!」

言い終わるや否や、私は進んで場所を譲り、振り返ることなく出口へと向かった。

すでに任務を完了したのだから、ここに留まる必要もない。

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