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1328話

私の濁った目で辺りを見渡し続けていると、突然、古銅色の扉が彼の注意を引いた。

古銅色の扉は全身が血のように赤く、異様な輝きを放っていた。複雑な黒い模様が幾重にも織り込まれ、神秘的な雰囲気を醸し出している。

上部には小さな看板が堂々と掲げられていた。ごく普通のものだが、そこに記された文字は目を引くものだった。

「貴賓室、三級」

私はこれを見て、目に浮かんだ喜色をもはや隠そうともせず、急いで言った。

「ここだ!」

言葉が終わるや否や、彼の足取りは突然止まり、興奮して無夜を下ろした。

黒いドレスを身にまとった無夜は、雪のように白い足をしっかりと床に着け、漆黒の瞳で不思議そうに周囲を見回した。

妖艶な...