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1327話

「ちっ、私はぜんぜん信じないわよ!」

「あなた、私を騙してるんじゃない?」

「後ろから空気を切り裂く音が聞こえるわ!」

「えっ?」

「空気を切り裂く音?」

無夜の言葉を聞き、進んでいた私の体が思わず止まり、少し驚いた目で後方を見やった。

すると後ろでは、それまで極めて静かだった空気が突然歪み始め、狂ったような気流が中から噴き出し、四方に散っていく。

それを見た私は濁った瞳を見開き、それまで穏やかだった心臓も急速に鼓動し始めた。

まさか?そんなことがあり得るのか!あり得ないはずだ!

頭を振りながら混乱していた私のところへ、ジャックの姿が遠くから現れ、黒い影となって猛スピードで近づいてき...