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1323話

「でも、これは白夜(ハクヤ)にとって、少し受け入れ難いことだった。

彼女の水色の瞳に、一筋の怒りが閃き、遠ざかる姿を見つめながら、冷たい声で口を開いた。

「変わるの早いわね、本をめくるよりも早いじゃない!」

「そういえば……誰か足りないわ!」

「そうだ、酒老(シュロウ)はどこ?」

血月(ケツゲツ)はその言葉を聞き、少し驚いたように辺りを見回した。周囲の空き地には二人の姿しかなく、酒老の姿はどこにもなかった。

この状況を目の当たりにし、血月の顔が一気に暗くなり、声も思わずさらに冷たくなった。

「酒老はどこ?」

白夜は困惑したように首を振り、水色の瞳には恐怖の色が満ちていた。

「まさか!たった一刻...