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1310話

「なんだか、ツンデレだね。心の中ではボクのこと大好きなくせに、表面上は知らんぷりしてるなんて…」

「笑わせないでよ!」

白夜はその言葉に、華奢な体を震わせた。心の奥底を見透かされたかのようだったが、すぐに我に返り、水色の瞳で血月をじっと見つめて、一言一言はっきりと言い放った。

「そんなことないわ!」

血月はそれを聞くと、整った顔に淡く笑みを浮かべただけで、特に何も言わなかった。

当然だ。ツンデレな人間は、どんな状況でも簡単に本心を認めたりはしないものだから。

私は足を進め、老人の前に立った。濁った眼差しで老人をしばらく観察し、間違いないと確認してから、少し慎重に声をかけた。

「おじいさん...