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1308話

正直に言えば、長い間平静だった私の心は、白夜の愛らしいツンデレな顔を見て、微かな波紋を立て始めていた。

白夜自身はもちろんそんなことを知るはずもなく、水色の瞳で窓の外を眺めながら、何を考えているのか分からない様子だった。

私は濁った目を窓の外から引き戻し、一瞬鋭い光が閃いた。

「そろそろ本気を出さないとな!」

言葉が終わるや否や、私の足が強く踏み込み、ゴーストシャドウの油圧計が一気に最高値まで跳ね上がった。赤い針が異様な輝きを放っている。

それまでも猛スピードで走行していた漆黒の車体が、黒い光線と化して極速で遠ざかっていく。その速さは言葉では表現できないほどだ。

「うわっ、何なんだあれ?すごい...