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1301話

手に触れた瞬間、極上の柔らかさが手のひらから全身へと広がり、経脈がすべて心地よく通じるとともに、心も自然と晴れやかになっていった。

迷いなく衣服を手に取り、試着室へと直行する。もう衣服の効果を確かめずにはいられなかった。

試着室に足を踏み入れるや、壁の黒い模様が目を引いた。複雑怪奇な線が幾筋も繋がり合い、異様な神秘性を放っている。同時に、かすかな清涼な香りが部屋全体に漂っていた。

「清涼香か?さすがに金持ちだな」

彼の知る限り、市場に出回っている清涼香には不思議な効能があり、喉の渇きを癒し、全身をリフレッシュさせるだけでなく、体細胞の活性化を促進し、人を情熱的にさせるという。

だが、...