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1290話

残りの一本の寒魄針こそが、少女の頭部を封印していた針であった。その速度はほぼ通常の八本の針の三倍に達し、鉄色の金属の照り返しの中に一筋の冷たい光が走るのが見え、極めて魅惑的だった。

白夜はこれを見て、もはや躊躇わず、雪のように白い足を前へと踏み出した。

彼女が特に動きを見せたわけでもないのに、周囲に神秘的な気配が広がり、元々猛スピードで進んでいた寒魄針は白夜を中心とした十里の範囲内で、微動だにできなくなった。

血颜はこれを目にし、真っ赤な瞳孔が思わず縮み、その眼には信じがたいという色が浮かんだ。

「氷の気場?そんなはずがない!」

私はその言葉を聞き、少し困惑して白夜の方を見やった。

見れ...