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1282話

「そうよね、ただの彫刻でしょう?劉お兄さまにとって難しいはずないわ」

「私、氷玉の首飾りがとっても気に入ったの。劉お兄さま、私にくれない?」

血月はそう言いながら、艶やかな身体を自然と私に寄せてきた。真っ赤な瞳で、とても魅惑的に私を誘っている。

白夜はそれを見て、水色の瞳に悔しさを滲ませた。彼女も氷笛が欲しいと言いたかったのだろうが、血月のような妖艶で色気のある仕草など、白夜にはとてもできないのだ。

私は間近に漂う彼女の香りを嗅ぎながら、濁った瞳に思わず満足の色を滲ませた。心の中の欲望の炎が、徐々に掻き立てられていく。

「氷玉の首飾りが欲しいのか?」

私は血月を見下ろし、優しい声で尋ねた。

「...