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1255話

私は淡々と一瞥を投げかけた。その濁った瞳には何の感情も宿っていない。静寂そのものだった。

笑止千万。彼がどんな身分だというのか。なぜ一介の女装サービス員如きと言い争う必要があろうか。

血月の赤い瞳は少し驚いたように青雪を見つめ、その後、精巧な小さな顔に無邪気な表情を浮かべた。明らかに何が可笑しいのか理解していないようだった。

青雪は漆黒の瞳で二人を観察し続け、血月の無邪気な表情を見た時、彼女の自制心をもってしても、思わず軽く笑みを漏らした。

「かわいいですね!」

血月が喜ぶと思ったのだが、彼女はその言葉を聞いても喜ぶどころか、赤い瞳から一瞬にして殺気を放った。

「そう呼ばないで!お兄ちゃ...