花都の逍遥

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1235話

必死で走っていた寒雪は、スカートの下の光景や、私の異様な視線に気づいていなかった。

彼女の絶世の美しさを持つ顔には、真摯な笑顔が広がり、雪のように白い手首が私に向かって伸ばされた。

「はじめまして、私は寒雪です!」

その笑顔は真摯でありながら極めて魅惑的で、今の私の年齢でさえ、思わず見とれてしまった。

一刻ほどして、私はようやく我に返り、目には戸惑いが満ちていた。

「こんにちは!私は私です!」

そう言いながら、私の蒼白く皺だらけの老いた手が寒雪の雪白の手に伸びていった。

近づいた途端、極めて滑らかな感触が手から全身へと流れ込み、心が揺さぶられると同時に、胸の鬱屈が半ば消え去った。

寒雪は私の異...