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1228話

私はその言葉を聞き、老いた顔に少しの怒りの色も浮かべず、濁った瞳で雪花をじっくりと見つめてから、笑みを浮かべて言った。

「資格?もし私が後ろのスポーツカーを振り切れたら、資格があるとは言えないかな?」

皆はその言葉に一瞬呆然とし、場は三秒ほど静寂に包まれた。

一刻の後、葉白が最初に反応し、後ろを振り返った。漆黒の闇があるだけで、スポーツカーなど何処にもない。彼の瞳に浮かぶ軽蔑の色は、この瞬間、言葉では表せないほど濃くなった。

「じいさん、あんたの運転技術はすごいと認めるけど、嘘をつくのはどうかと思うよ?」

私は答えず、隣の雪花が目を閉じ、何かに耳を澄ませ始めた。

およそ一分後、雪花は突然目を見...