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1205話

「決心したつもりだったのに、いざ目の前に立って、自分の頼みを口にしようとすると、やっぱり言い出しにくいな」と鄭双は感じた。

彼はどうしても言葉にできなかった。

「言いたいことがあるなら早く言え、おならなら早く出せ。『あの、その』なんてもごもごするな。お前は金持ちの坊ちゃんのはずなのに、どうして少しも坊ちゃんらしい気品がないんだ。まるで女々しいな、ぐずぐずして」

俺は百合の花を愛でていたのに、鄭双が近づいてきて、言葉を濁して何も言えないでいるのを見て、たちまち苛立った。

彼はずっと鄭双のこのピュアすぎる性格が気に入らなかったので、少し教育してやろうと思った。

ところが鄭双は俺にこう叱られると、す...