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1185話

郑老爷子は思わず表れた優しさをすぐに引っ込め、再び厳しい表情を取り戻した。

「あの、ゴホンゴホン、さっきは言い方がきつすぎたな。謝るよ」

老爷子は生涯正々堂々と生きてきた人だ。先ほどの自分が感傷的すぎたと感じ、すぐに率直に謝罪の言葉を口にした。

「お爺さん、最近研究に没頭してる例の症例なんですけど、もしかして……」

郑双はまだ諦めていなかった。彼は刘先輩の腕を強く信頼しており、誰かがお爺さんの負担を少しでも分かち合えればこれ以上ないことだと思っていた。

「ついてきなさい」

郑老爷子はため息をついた。結局、孫に譲歩したのだ。それに、この所謂刘先輩の医術にも強い興味を抱いていた。

一行は奥の間へと...