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1166話

しかし、最も重要なポイントは、この銀針の先端にある艶やかな赤い点だ。

これは普通の赤い針先ではなく、特殊な技術で精製された紅龍草を使ったものだ。紅龍草を焼いて赤い液体にし、それを冷却して固めたものを針先に覆いつけている。

針が人体に刺さると、針先の紅龍草も一緒に体内に入る。

体温が高いため、冷えた紅龍草が再び溶け、経絡に沿って体内を巡り、病状の悪化を抑える効果をもたらすのだ。

ただし、この針法は一度しか施術できない。

二度目を行うには、再び紅龍草を調合しなければならない。

この瞬間、皆が固唾を飲んで見守っていた。

私は一瞬も目を離さず、老人の目を見つめながら、数え始めた。

「一」何の反応もない...