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1053話

「金水さん、今から警察署に行って証言を取りましょうか?」警官の一人が私に声をかけた。

「いいですね、どうせ人は病院にいるから安心だし」私は芳芳ちゃんを一瞥して言った。

しかし芳芳ちゃんはじっと私を見つめて言った。「金水さん、私...お母さんの看病をしたいんです」

こんな若い女の子が初めてこういう場面に遭遇したら、怖いのも無理はない。

ただ、せっかく芳芳ちゃんと二人きりになれるチャンスなのに、こんな機会を逃すわけにはいかない。

「大丈夫だよ、証言を取るだけだから、すぐ終わるよ」私は目を輝かせながら芳芳ちゃんを見つめた。

私のじっとした視線に、芳芳ちゃんは何か不思議な感覚を覚えた。

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