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243話

柳循は先を歩きながら、口元の笑みを深めていった。浅いえくぼが覗き、彼は内心で思った。まずい、彼女はすでに自分の一日の喜びの源になってしまった。もはや彼女なしでは生きられないだろう。

図書館に着くと、徐静姝はようやく気づいた。柳循が持ってきた本はたった一冊だけで、残りの二冊は彼女の証明書を使って延長手続きをしていたのだ!!!

「部長……」図書館を出た後、力が抜けたような徐静姝が、とても恨めしそうな口調で呼びかけた。「これからは一冊返すたびに、私を食事に誘うつもりですか?」

「ほう」驚きを表す言葉なのに、柳循が言うと何故か平静な響きになる。「見抜かれたか」

「……」徐静姝は額に手をやり、死...