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113話

二人が教学棟を出た時、空からは本当に真っ白な雪が降り始めていた。柳の綿毛のように、ふわふわと舞い、或いは旋回し、或いはまっすぐ落ちて、地面に着くとすぐに溶けて消えてしまう。

徐静姝は指先を伸ばすと、一片の雪がふわりと優しく指先に舞い降りた。白い氷の結晶が、温かい体温に触れるとたちまち小さな水滴となり、透き通って輝いている。

楚攸宁は空を見上げた。雪はますます激しく降りだす傾向にある。心配そうに徐静姝のマフラーをきつく巻き直してから、彼女の手を取った。「まずは学校の近くのコンビニで傘を買おう」

「うん」徐静姝は彼の手をしっかりと握り返し、彼の足取りに合わせて、一緒に雪の中へと踏み出した。

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