無良男妃

95話

小灯は嬉しそうに手を下げながら階段の入り口に立ち、二階の廊下に立つ九疊雲を見上げていた。

九疊雲は手すりに体を預け、だらしなく手を置きながら、淳璟を意地悪く横目で見て、冷たく鼻を鳴らし、唇を引き締めてから言った。「また何しに来たんだ？」

「この若い衆が教えてくれたんだ。僕たちには約束があるって」淳璟は小灯を一瞥してから、少し顎を上げて笑みを浮かべた。

九疊雲は淳璟を無視し、目を細めて小灯を睨みつけ、叱りつけた。「いつの話だ？！本公子がいつお前に奴を呼びに行けと言った？」

小灯は慌てて階段の入り口に跪き、頭を深く垂れて小声で謝った。「九公子様、どうかお怒りを。すべて小灯の不調法でございま...